近年では、情報通信技術の発展によって、顧客情報・ネットワーク・データベースを活用したマーケティングを行うことが可能となっています。
そうした様々な情報を活用し、顧客のそれぞれのニーズにきめ細やかな対応が出来るのが、ITマーケティングと呼ばれる手法です。
以前では、顧客の意見をマーケティングに採り入れるプロセスには多くの困難が伴っていました。
例えば、顧客に対してアンケート実施する場合を考えても、実際に顧客に対して郵送などでアンケート配布する方法も考えられれば、店頭でアンケートを行う方法もあるでしょう。
しかし、どちらの場合も、調査対象となる顧客の数を増やせば増やすほど時間と費用がかかりすぎるのが問題点です。
このような調査には非常に手間がかかるために、全ての顧客の意見を収集することができず、顧客一人ひとりのニーズに応じた製品設計というのも難しかったのです。
それが現在では、インターネットを利用してリアルタイムに顧客の意見を収集し、まとめることが可能となっています。
ITマーケティングの中で、顧客一人ひとりの意見を直に把握するマーケティング方法としては、「ワン・トゥ・ワン・マーケティング」というものが存在します。
ワン・トゥ・ワン・マーケティングによって顧客と企業の距離はさらに短くなり、リレーションシップ・マーケティングのように長期の良好な関係を築くことが容易になります。
まさに顧客と企業が直接結びついたマーケティングが、ワン・トゥ・ワン・マーケティングと言えるのです。
このワン・トゥ・ワン・マーケティングには、それまでのマーケティングにはないようないくつもの特徴があります。
まずは、新規の顧客を獲得するために必要なコストが低くすむと言うことが挙げられます。
実際にワン・トゥ・ワン・マーケティングを行っている企業に対して、消費者は他社には抱かないようなロイヤルティを持つようになります。
すると、次のビジネスを企業が行う際に、それまでの顧客が継続して次回のプロジェクトで制作されたモノやサービスを購入してくれるようになるのです。
つまり、新規ビジネスを行う際に、顧客シェアがある一定程度は確保できるということです。
シェア獲得のためのコスト低下、これがワン・トゥ・ワン・マーケティングの持つ特徴の1つです。
また、ワン・トゥ・ワン・マーケティングにおいては、多くの顧客を獲得することが目的ではなく、 1人の客がどれだけ製品を購入してくれるのかということについてが注目されます。
ある顧客が一生においてある企業にもたらしてくれる収益のことを、生涯価値と呼びます。
ワン・トゥ・ワン・マーケティングは、この生涯価値をいかに大きくできるかということについて注意を払っているのです。
以前のマーケティングシステムであれば、顧客一人ひとりのニーズに応対する余裕はありませんでした。
そのため市場シェアについても、できるだけ多い顧客を確保する方針をとらざるを得なかったのです。
しかし現在では、顧客一人ひとりにきめ細やかな対応しながらも、それぞれから得られる収益を最大化するような方針をとることができます。
ITマーケティングは、大多数の顧客の獲得から一人ひとりの顧客との関係性の構築へと、市場シェア獲得の概念を大きく変えたと言えるでしょう。
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