サービス業の経営においては、どうすれば顧客がサービスに対して好意的な評価を持ってくれるのかを真剣に考える必要があります。
そしてこの問題は、サービス業の担い手である、従業員の育成方法を考えることと同義です。 従業員の育成方法については、一般的に2つの方法が考えられるでしょう。
1つはマニュアルなどを準備し、訓練によってふさわしいサービス提供方法を身に付けさせるものです。
大規模なチェーン店経営では、この方法がよく採用されています。
まずは形からサービスの提供を覚えさせ、それについてくる形でサービスを提供する際の心構えを教育する方法になります。
一からサービスのいろはを叩き込むよりは、よっぽど少ないコストと時間で従業員を教育することができるというメリットがあります。
しかしながら、こうしたマニュアル化された形式の教育では、不測の事態に対処しにくいという欠点もあります。
マニュアルに無いような状況に従業員が遭遇した場合には、それに従業員個人が対処できなくなってしまうことがあるというわけです。
人材育成の方法としてもう一つ考えられるのが、従業員の内面を矯正させていく方法です。
これは自発的な思考・行動を従業員にさせる教育であり、マニュアル化された教育とは全く違った意味合いを持っています。
この教育方法は従業員が習熟するまでに時間もかかり、従業員のサービスの意識を最適な状態に保つために、常に監督者となる人間が現場に目を配っていなければならないという点で、非常にコストもかかります。
しかし、こうした教育方針によって育てられた従業員は、マニュアル化された教育では得られない能力を習得することができます。
相手をしているお客のニーズを隅々まで読み取る洞察力や、実際にそれをてきぱきと実行できる行動力がそれです。
このような能力を従業員が獲得するまでには、従業員の能力を成長させるような組織風土や、組織理念の存在が必要不可欠です。
そもそもサービス業における従業員とは、顧客に関する様々な情報を集める立場にあります。
例えば、レストランに来るお客の最も大きなニーズは、食事をすることです。 しかしながら、もしかするとその顧客の中には、「いい雰囲気のレストランで落ち着いた食事をしたい」というニーズが潜んでいるかもしれません。
そうした、顧客の持つ本当のニーズを読み取るのが従業員の役割です。
読み取ったニーズにふさわしいサービスを提供することが、顧客のサービスに対する好意を高めるものとして働くのです。
サービス業を営む企業にとって、洞察力に優れた従業員を育成することは、企業価値を高めることにも繋がる、という訳です。
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