進化する電子機器組立製造業について、これから書いていくことにする。
現代は多様性の時代、モノ余りの時代といわれており、それに対応して製造業の課題はいかに効率よく大量に安く生産するかという視点から顧客のニーズに合った商品をいかに消費者に便利に、短納期に、安く届けるかという視点に変わってきている。
サプライチェーンマネジメントはその実現手段であるが、いかに工場出荷時点のメーカーコストを引き下げるかという従来の視点ではなく、いかに流通コストを低減して安い販売価格で消費者に届けるかという視点になってきた。
このことが第1の鍵といえるだろう。第2の鍵は、メーカーから出荷した商品を流通を経て消費者に届けるまでの間で無駄な滞留・在庫を少なくしてキャッシュフローを改善させることである。
SCMは基本的には必要な型番の製品を必要な時に必要なだけ造るというジャストインタイム生産方式を、パートナーからの部品納入や顧客への配送なども含めた形で全体を同期化したものであるが、その狙いは滞留問題の解決であるといってよい。
第3の鍵は、メーカーと消費者との直接の対話チャネルを確立して、消費者からの要望に対してスピーディかつ的確に対応することである。
従来の方式では顧客に関する情報が販売店から営業部門へ、そこからさらに関連部門へというように逐次伝わるために、情報伝達が遅れる、情報にフィルターがかかるといった情報滞留の問題が生じる。
また顧客への納期という視点では、顧客への注文にいかに早く応えられるかという、注文から納入までの納期のパスと、顧客のニーズを汲み取ってから最新のモデルを準備するまでの開発リードタイムのパスが存在し、それぞれの短縮が第4の鍵となる。
近頃「米国製造業の復活」という言葉がよく聞かれるが、以上の問題を解決すること、特に顧客と企業との間の製品と情報の滞留をなくしてビジネススピードを上げることがその基本的な秘訣となっていると考えられる。
ちなみに、パソコン事業は製品開発サイクルとライフタイムがきわめて短かいので不良在庫の増大と流通段階での製品のダブつきが起こりやすく、最後は競合メーカーの最新モデルとの競争になって、結局安く売らざるを得ない状況を引き起こすことになりかねない。
バーゲンセールと称した安売りの原因の一つは、こうした過剰在庫がもたらしたものであり、完成品で流通在庫をもつことは常にこのリスクがつきまとうことになる。
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