グローバル人材のニーズが高まっている。そのようにメディアでは騒がれています。
事実、少子高齢化や人口減の傾向から、日本経済は今後縮小していきますので、いかなる企業も販路を国際的に広げていくことがこれまで以上に求められています。
事業の根幹は人であり、よって、グローバルビジネスに対応できる人材の採用と育成への課題感が増している、ということです。
しかし、企業の採用は果たしてグローバル的なポテンシャルの高い学生の採用に適した形になっているのでしょうか。
現状では、大学3年生の夏あたりから就職活動を意識しはじめ、冬には会社説明会などが本格化します。
時期に大学に行くことができないほど面接やその準備などに追われることになります。
しかも、この時期を逃すと多くの会社での採用活動は終了し、門戸を閉じてしまいます。
実際、6割以上の企業が一括採用を支持し、通年新卒採用が好ましいと答えるのは2割強にすぎません。
そうなると、ちょうどこの就職活動が重なる時期に留学することになる日本人学生は、就職のチャンスを逃してしまうことになります。
高いお金を払い、大変な思いをしてでもグローバルに成長していこうと考えている意欲の高い学生なのに、新卒での正規採用ルートに乗れないようになっている。
これほどの矛盾があるでしょうか。
就活で不利になるとしても海外に行きたいのだという覚悟がある学生か、学部2年生の時に留学するかを迫られることになります。
これらはどちらもなかなかの困り者で、結果的に構造的に留学に対するハードルを上げることになっています。
いくら留学を経験して異文化理解力やサバイバル力があると訴えかけようと思っても、訴える先がなくなっているのですから。
グローバル化と声高に叫ぶ中、6割以上の企業が新卒の採用時に留学経験を考慮したり評価したりする仕組みをそもそも持っていないという回答もあります。
また、同じく6割以上の企業が、新卒採用の時に海外経験を持つ日本人学生を募集したが採用をしなかった、もしくは募集すらしなかったというアンケート結果もあります。
実務レベルではグローバル経験を重視しているなどというのは重視していないということが如実に表れています。
日本の商習慣なのだという理由で、1年に1回しか幹部候補生を採用しようとしない、しかもそれは海外の学生には優しくないのが現状です。
日本人を含めて、優秀な人材が世界から採れると本気で思うなら、経営層が意思を持って変える必要があります。
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