男女の性差と労働力の再生産について、これから考えていきたいと思う。言うまでもないことだが、労働力が再生産される家庭には夫がいて妻がいる。つまり、男性と女性の性差が労働力の再生産にとって不可欠の問題になることはいうまでもないだろう。
労働力が人間の労働力として再生産される以上、労働力商品は男女の性差という、他の商品にはみとめられない特性をもって市場に登場することになる。
さらに、性差にもとづく男女の共働や共生が、経済学の重要な課題になることは、労働力商品の特殊性に着目するならば、むしろ当然のことだろうと思われる。もうひとつ労働力商品が家庭・家族によって再生産されることによって生ずる特性として年齢差がある。
家族には、一般に親がいて子供がいる。兄弟、姉妹もいるだろう。さらに孫がいて、それらには性差と年齢差が存在する。したがって、労働力商品には、そもそも、自然人口から区別される生産年齢人口上の区分が不可欠である。
また生産年齢人口のなかでも、若年労働力、中年労働力、さらにシニア層ともよばれる高年労働力に区別され、さらに最近では老年労働力もまた、少子高齢化によって重要性が高まることになる。
中高年層と若年労働力とを区別するだけではすまなくなったのが、高齢化時代の労働問題なのだ。これら労働力商品の特殊性にかかわる問題は、従来から人口論や家族論の領域で論じられてきたが、経済学とまったく無縁だったわけではない。
だが、労働力商品の特殊性との結びつきで人口や家族を論ずることは、かならずしも経済学の大勢ではなかった。むしろ、家庭や家族としてよりも、消費の経済主体である家計として論じられてきた。
とくにマクロ経済学では、個人最終消費支出として、有効需要の構成要素として捉えられる傾向が強かつたように思われる。しかし、労働力商品の特殊性に着目すれば、労働力の再生産をたんに有効需要を構成している消費需要の次元に還元すればすむ話ではなくなる。
消費財や消費サービスが確保され、その需要が充足されたとしても、それでもって労働力の再生産が確保されることにはならないからだ。
労働力は人間の能力であり、消費のための財・サービスには還元できない人間のレベルの問題があり、そこから家庭・家族による再生産の問題も提起されることになるだろう。
とくに、労働力の特性からいって、性差や年齢差を抜きにして、その再生産を論ずることはできない。
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