初めから大きな企業体を形成できないとしても、起業する場合には何らかの「経営理念」を持って設立することでしょう。また、「経営戦略」という言葉もあります。では、この両者はどんな関係にあるのでしょうか。
まず、それぞれの意義について説明します。「経営理念」とは、その企業の社会における存在意義や使命を表す普遍的なものをいいます。つまり、「自分の会社は何のために存在し、どんな目的を持って経営を行うのか」という基本的な考え方です。
他方「経営戦略」とは、経営理念を実現させるために構築する具体的な方法論をいいます。「経営理念」が普遍性を有するに過ぎず、会社の現実とは乖離していることが多いです。そこで、その差を埋める具体的な方法論が「経営戦略」として必要になります。
次に、「経営理念」の経営に与える影響を考えます。「経営理念」はその会社の基本的な価値観であり、その価値観を利害関係人(ステークホルダー)に知らしめることになります。これにより、賛同者からは協力が得やすくなる効果があります。
具体的には、出資について株主からの投資が進むことにつながります。また、取引をする際にも「経営理念」に共感している相手と共同でき、例えば異業種連携で新たな市場の開拓ができたり、必要な協力が得られたりするでしょう。
また、「経営理念」の存在は企業内にも影響を及ぼします。それは。「経営理念」の存在が従業員に判断・行動の指針を与えることになるからです。こうして迅速で適切な活動がなされることにつながります。
それだけではありません。従業員に共感される「経営理念」ならば、従業員の会社に対する帰属意識も高まり、より積極的に働こうという動機づけにもなります。また、この積み重ねが「企業文化」を生み出すことにもなります。
では、「経営戦略」の影響はどうでしょうか。まず、「経営戦略」の構造から説明すると、「全社戦略」があって、そのもとに「事業戦略」・「機能戦略」といったものがあります。「事業戦略」と「機能戦略」は縦軸と横軸のようなもので、上下関係ではありません。
つまり、ある事業について会社の機能をどのように使うかが「事業戦略」です。また、各事業について会社の持つ機能をどのように使うかが「機能戦略」になります。つまり、両者はマトリックスの関係にあるものです。
そして、会社として有する機能を各事業に最適化して配分するのが「全体戦略」となります。こうして事業に優先順位を付けるなどの「調整」をさせるという影響を及ぼすことになります。
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