皆さんは「株式移転」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。この手法は1999年に商法が改正されることによって導入された制度なのでまだ認識が浅い方も多いのではないでしょうか。
しかしM&Aとか組織改革にとても大切なキーワードとなってきますので今日はこのことを少し一緒に皆さんと考えてみましょう。
株式移転というのは既存である会社が新規に「親会社」を設立したり、既存の会社同士が統合して経営を一つにする時に用いられる方法なんです。
しかしほとんどの場合は「持株会社制」を導入し、親会社を設立するのに用いられることが殆どですね。実際の方法としてはその持株会社に100%の株式を譲り、親会社とします。
そして既存の会社はその後に「子会社」として機能していくのです。非常に興味深い仕組みですね。通常、上場企業ともなればその株主というのは「不特定多数」であることがほとんどです。
ですから株式を完全に集めたいと思ってもなかなか100%というのは達成できないものです。TOBなども実施できますが、全ての株主がそれに応じるかというとかなり疑問であるということができるでしょう。
そこでこの株式移転というのが非常に役に立ってくるのです。では実際にどのようにこの株式移転は行われるのでしょうか。少しこの点も考えてみましょう。まず最初に行うのは子会社の株主総会で特別決議を行います。
そのようにして子会社の全株主の株式をこれから新設するであろう親会社の株式に移転することができるという訳です。今まで子会社の株式を持っていた人には親会社の株式が渡されることになります。
ここで反対する株主がいても状況は同じです。かなり強引ではありますが、全ての株式が親会社に移転されることになります。このような方法というのは日本ではまだまだメジャーではないということができます。
なぜならこのような強制的なアクションで株主の信頼というものが失われてしまう可能性があるからです。
しかしこのようなことは法律で認められており、今すぐ行使することは無くても将来の選択肢として覚えておくことには確かに益があります。
もし興味が湧いた人は「持株会社」などに関しても色々調べてみるといいでしょう。持株会社というのは企業再編や敵対的買収に対する防衛策として1997年から解禁されています。
このような仕組みをしっかり知ることはきっと日本の経済界への知識を深めると共に皆さんの企業活動にも役立つでしょう。
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