最近のアベノミクスの効果により、株価の上昇、過度な円安の緩和が続き、景況感は上向き傾向にあります。
しかし、長年続いた不況の影響はまだまだ残っており、本当の意味で景気を回復させるには更なる施策が必要です。
景況が上向いてきたからこそ、ベンチャー企業の活動を活性化させるべきだと言えます。
と言うのも、市場に新しい価値を生み、雇用を発生させ、経済全体が上向きになる一番の原動力は、勢いのあるベンチャー企業だからです。
様々な統計資料によると、日本の起業度の指標はアメリカの半分以下の水準となっており、先進国中最低水準です。
つまり、日本はそれだけ、新規雇用のチャンスやイノベーション、経済成長の機会を損失していることになります。
また、ベンチャー企業に対する資金を提供するベンチャーキャピタルの投資規模ですが、これに関しても先進国の中で最低水準になっています。実にアメリカの10分の1。
しかも、日本のベンチャーキャピタルは起業のアーリーステージにおける投資の割合が低いことが特徴です。
リスクを取るのがベンチャーキャピタルの仕事なのに、日本ではまともにそれが機能していません。
というのも、彼らの多くは金融機関の系列会社であって、本来は概念が全く違うはずの銀行的発想に縛られているからでしょう。
日本における起業家精神に悪影響を与える社会の構造も問題です。一般的に日本社会は失敗に対する恐れが国際的に比較しても非常に大きいというデータがあります。
新規事業の多くは失敗します。そうそう簡単に成功できていれば、みなが億万長者です。
失敗に対して寛容になり、やり直しが効く社会にしない限りは、失敗がつきものの起業に挑戦しづらくなるのは当然のことです。
例えば、仮に失敗したとしても、事業を立ち上げた際に学んだスキルセットやその姿勢などは、既存の企業にとっても非常に魅力的に映るはずです。
それを、「失敗者」というレッテルを張って拒絶することは問答無用であるべきなのです。
特に、ヒト、モノ、カネといった経営資源を引っ張ってきて事業を形作っていくという経験をした人は、サラリーマンとはひとつ違う次元で仕事ができます。
そういう人を積極的に再雇用するという企業側の姿勢が必要です。
例え自社が大企業であっても、歴史の長い企業であっても、果敢に挑戦した起業家たちを過度に低く評価してはなりません。
彼らの既存の枠にとらわれない発想やアグレッシブな姿勢は、大企業病に悩む企業には非常に貴重な人材です。
日本社会全般のため、そして自社の経営のため、日本の起業家精神を高揚させるためにも、まずは既存企業から起業家に優しくなりましょう。
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